藩邸クロスオーヴァー

江戸の大名屋敷(江戸藩邸)址は、地方出身者と東京を結び、東京の昔といまを結んでくれる接点です。
愛宕山の夜景~『JIN-仁ー』より[伊予松山藩上屋敷]
TBS日曜劇場の『JIN-仁ー』
オープニングのタイトルバックに広がるのは、幕末の慶応元(1865)年から2(1866)年にかけ、F.ベアトが撮影した、愛宕山からの眺めです。
すなわち、私たちが知ることのできる、数少ない本当の江戸の姿でもあります。
そこには、私の国許・伊予松山藩の上屋敷も写っています。

愛宕山から東を望んだベアトの写真は、5枚続きのパノラマビューになっていて、左手の北側は江戸城西ノ丸下あたりから、遠く築地本願寺、浜御殿、右手の南側は増上寺の杜、その先に品川の海まで収まっています。
愛宕山は眺望のよい場所で、江戸時代には、江戸市中が一望のもとに見渡せたのだそうです。
愛宕権現は江戸市民の崇敬厚く、また月の名所でもあったのだとか。

いま愛宕山は、中央をトンネルが穿ち、山肌は削られ、再開発によって二棟の巨大な高層ビルがそびえたち、ただわずかに、愛宕神社、NHK放送博物館周辺の森が、その面影を残すのみです。

月の名所だったという愛宕山に、夜、登ってみました。
愛宕グリーヒルズの裏手にある日本風庭園へ、不法侵入者のように恐る恐る分け入り、東屋にたって、ビルの隙間からやっとみえたのは、目の前に立ちはだかる、慈恵会医大の建物でした。


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そのせいでしょうか。
『JIN-仁-』のオープニングをみていると、「人の命」とか、「医とは何か」といったテーマはもちろんですが、それとは別に、なにか『逝きし世の面影』とでもいうような、なんとなく懐かしく、そして古い悲しい記憶を呼び起されたような気持ちに襲われました。

ベアトの写真は非常に有名で、これまで何度もメディアに取り上げられています。
また、こういった古写真を、同じアングルの現代の姿と重ね合わせるやり方は、別段新しい試みでもありません。
それでもやはり、この番組がベアトの写真を採用し、それを現代の東京と重ね合わせたのは正解だった、このドラマのテーマに対して、一つの重みを加えることに成功している、と私は思っています。


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愛宕グリーヒルズのうち、オフィス棟にあたるMORIタワー。以前は、ボーダフォン日本法人の本社機能がここに入っていて、私も仕事で何度か足を運んだのですが、いまはどこが入っているのでしょうか


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同じく、住居棟にあたるフォレストタワー。青松寺を挟むかたちで、MORIタワーと並立しています


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慈恵会医大附属病院のF棟。歴史を感じさせる建物です。これは別途に要調査。F棟周辺は旗本屋敷でした。手前の愛宕下通り(愛宕下広小路)には江戸時代、桜川が流れていました


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芝郵便局交差点。右に曲がると秋田小路。右手前のブロックには伊予松山藩上屋敷がありました

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by edohantei | 2009-11-09 02:41 | 藩邸探訪
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