藩邸イルミネーション[小倉藩、熊本藩上屋敷]
今週末(「神様は七日目にお休みになられた」という賛美歌にちなみ、俺は日曜も週末に含む)は、もうはやクリスマス・イヴ。
クリスマス前の数週間、つまり、ちょうどいまの時期を西洋の世界では「アドヴェントゥス(ラテン語読みで)」というらしいですが(日本語では待降節、降臨節とも)、街はイルミネーションやら難儀な話ですね。
小生、ここ数カ月の週末は、神田駅か東京駅から帰宅することが多いのですが、夜、家路を急ぎつつ大手町〜丸の内あたりを歩いていると、この無味乾燥なビジネス街にも、とこどこイルミがきらめきよります。
…しかしアナタたち! そこの職場恋愛にいそしむカップルたちよ!
輝くイルミをうっとり眺めながら、まさにその場所が、大名屋敷の址であったことに思いをはせる人が、どれほどいらっしゃいますでしょうか!!!
ということで、ここしばらくは、「藩邸(大名屋敷)址と、そこに輝くクリスマス・イルミネーションの関係」を考察してみたいと思います。
まず第1回は、かつて親藩・譜代の上屋敷がひしめいて華やかなりし「大名小路」、つまり皇居外苑、大手町、丸の内界隈から。
小生は帰宅時、江戸時代にはなかった鎌倉橋を大手町方面に渡り、鶴岡藩(山形県):酒井左衛門尉上屋敷址の日経新聞本社を右手にみながら、東京駅へワシワシあるっていくわけですが、界隈で目立つのは、やっぱり産経新聞前の広場にあるマイクロソフト提供のクリスマスツリー(写真上)。ここは、小倉藩(福岡県):小笠原左京大夫上屋敷址です。
クリスマス・イルミにも流行があり、ここ数年はブルー×シルバー(ホワイト?)が主流のようですが、さすが都心は安易なものにはしないね。
ごらんのように、ツリーの周りは赤・青・白の微細なランプをちりばめたものです。
煎茶道など礼法に秀でた小笠原氏ならではの趣味よのぅ〜(関連はないが)。
さらに進んで東京駅丸の内北口付近までくると、どどーんとでました。
大型ビジネスビル「OAZO(オアゾ)」です(写真中)。
ここは、“おしゃれなショッピング&ビジネスビル”を標榜しているとみえ、館内はポルティコ風の巨大な吹き抜け、館内からエントランスへつづくイルミも、レモンイエローとシルバーのランプはもちろん、ステンドグラス風の飾りもあり、おしゃれ度3割増な感じです。
それもそのはず、かつては室町将軍の側近にして秀吉の御伽集あがり、熊本藩:細川越中守の上屋敷があったのですから、おしゃれは当然ともいえます(関連はないが)。
ここまでくれば、有楽町方面に流れて、高知藩邸址の東京国際フォーラムなど、さらなる華やかさを追求してよいかもしれませんが、そこはひねくれ者の小生のこと。
もうミレナリオもなくなったことですし、もっと地味なおまけをつけましょう。
最後は、和田倉濠のすぐそばにあるパレスホテル(写真下)。ここは、江戸時代に江戸城の御畳蔵があり、お隣には飯田藩(長野県):堀大和守や三上藩(滋賀県):遠藤但馬守など歴代の若年寄が上屋敷として利用した館がありました。
いちホテルのイルミとはいえ、やっぱ地味ですねー。公邸ともなると、こんなふうになってしまうのでしょうか(関連はないが)。
余談ですが、神田駅周辺は、天和の大火のため、数あった藩邸が郊外に立ち退いて以降は町人町となり、藩邸めぐり的にはいまいち面白味に欠けます。
あ。唯一の例外は、テレビCMのロケ地にも使われる今川小路。神田と東京駅の間、JRの高架下にある飲屋街なんですが、こいつは面白げな感じです。
今川小路は、今川橋の近くにあるためその名がついたのだと思われますが、今川という大名っぽい名前だからといって大名・旗本とは関係なく、当時この地の名主であった今川善右衛門なる人物が橋をかけたため、“今川”の名がつけられたのだといいます。
ちなみに、今川焼はこの付近が発祥だそうです。
クリスマス前の数週間、つまり、ちょうどいまの時期を西洋の世界では「アドヴェントゥス(ラテン語読みで)」というらしいですが(日本語では待降節、降臨節とも)、街はイルミネーションやら難儀な話ですね。
小生、ここ数カ月の週末は、神田駅か東京駅から帰宅することが多いのですが、夜、家路を急ぎつつ大手町〜丸の内あたりを歩いていると、この無味乾燥なビジネス街にも、とこどこイルミがきらめきよります。
…しかしアナタたち! そこの職場恋愛にいそしむカップルたちよ!
輝くイルミをうっとり眺めながら、まさにその場所が、大名屋敷の址であったことに思いをはせる人が、どれほどいらっしゃいますでしょうか!!!
ということで、ここしばらくは、「藩邸(大名屋敷)址と、そこに輝くクリスマス・イルミネーションの関係」を考察してみたいと思います。
まず第1回は、かつて親藩・譜代の上屋敷がひしめいて華やかなりし「大名小路」、つまり皇居外苑、大手町、丸の内界隈から。
小生は帰宅時、江戸時代にはなかった鎌倉橋を大手町方面に渡り、鶴岡藩(山形県):酒井左衛門尉上屋敷址の日経新聞本社を右手にみながら、東京駅へワシワシあるっていくわけですが、界隈で目立つのは、やっぱり産経新聞前の広場にあるマイクロソフト提供のクリスマスツリー(写真上)。ここは、小倉藩(福岡県):小笠原左京大夫上屋敷址です。
クリスマス・イルミにも流行があり、ここ数年はブルー×シルバー(ホワイト?)が主流のようですが、さすが都心は安易なものにはしないね。
ごらんのように、ツリーの周りは赤・青・白の微細なランプをちりばめたものです。
煎茶道など礼法に秀でた小笠原氏ならではの趣味よのぅ〜(関連はないが)。
さらに進んで東京駅丸の内北口付近までくると、どどーんとでました。
大型ビジネスビル「OAZO(オアゾ)」です(写真中)。
ここは、“おしゃれなショッピング&ビジネスビル”を標榜しているとみえ、館内はポルティコ風の巨大な吹き抜け、館内からエントランスへつづくイルミも、レモンイエローとシルバーのランプはもちろん、ステンドグラス風の飾りもあり、おしゃれ度3割増な感じです。
それもそのはず、かつては室町将軍の側近にして秀吉の御伽集あがり、熊本藩:細川越中守の上屋敷があったのですから、おしゃれは当然ともいえます(関連はないが)。
ここまでくれば、有楽町方面に流れて、高知藩邸址の東京国際フォーラムなど、さらなる華やかさを追求してよいかもしれませんが、そこはひねくれ者の小生のこと。
もうミレナリオもなくなったことですし、もっと地味なおまけをつけましょう。
最後は、和田倉濠のすぐそばにあるパレスホテル(写真下)。ここは、江戸時代に江戸城の御畳蔵があり、お隣には飯田藩(長野県):堀大和守や三上藩(滋賀県):遠藤但馬守など歴代の若年寄が上屋敷として利用した館がありました。
いちホテルのイルミとはいえ、やっぱ地味ですねー。公邸ともなると、こんなふうになってしまうのでしょうか(関連はないが)。
余談ですが、神田駅周辺は、天和の大火のため、数あった藩邸が郊外に立ち退いて以降は町人町となり、藩邸めぐり的にはいまいち面白味に欠けます。
あ。唯一の例外は、テレビCMのロケ地にも使われる今川小路。神田と東京駅の間、JRの高架下にある飲屋街なんですが、こいつは面白げな感じです。
今川小路は、今川橋の近くにあるためその名がついたのだと思われますが、今川という大名っぽい名前だからといって大名・旗本とは関係なく、当時この地の名主であった今川善右衛門なる人物が橋をかけたため、“今川”の名がつけられたのだといいます。
ちなみに、今川焼はこの付近が発祥だそうです。
by edohantei
| 2006-12-22 23:55
| 藩邸探訪